快適にテレワークを行う「デスク周辺環境」のつくり方 室温25℃、植物配置で仕事が捗る?<産業医監修>

2021年6月28日

昨今の社会情勢に伴い、不要不急の外出を控えたりと生活環境が大きく変わりはじめて約1年。はたらく環境が大きく変わったという方も多いのではないでしょうか。連載「はたらくHack!」では、この時代を元気に自分らしく“はたらく”ためのエッセンスをご紹介していきます。

第5回目のテーマは、「デスク周辺環境」。
テレワークをするようになって、集中力が続かなくなった、肩こりがひどくなった、ストレスがたまる、――そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?もしかしたら、デスク周りの“環境”に原因があるのかも。見直し、改善すれば、パフォーマンスはあがり、体調も良くなるかもしれません。

今回は、メンタルや身体の負担を軽減し、やる気をサポートしてくれるデスク周辺環境について、産業医の原島 浩一先生に伺いました。快適な環境をつくり、仕事の効率もモチベーションもアップさせましょう!

原島浩一先生
原島産業医事務所代表 
認定産業医 労働衛生コンサルタント
群馬大学医学部および群馬大学大学院卒業後、放射線科医として癌の治療に従事。2007年から数社の専属・嘱託産業医を務める。

■トピック

・ワークペースの環境を整えよう。室温25℃でミス軽減⁉

・植物を置いて疲労回復!部屋には緑色を取り入れて

・ディスプレイまでは40㎝以上、肘の角度は90度以上。作業姿勢を正せば、疲労感が軽減!

ワークペースの環境を整えよう!室温25℃でミス軽減⁉

――テレワークになり、集中力が途切れやすい、肩こりや腰痛が辛いなどの悩みを抱えている人も少なくないようです。

コロナ禍でテレワークをするビジネスパーソンが増え、私もそうした相談を受けることが多くあります。

オフィスの作業環境は、労働安全衛生法のさまざまな規定のもとにつくられていますが、家庭は一般的にくつろぐ場所で仕事をする環境になっていません。 ダイニングルームやリビングルームの一角を仕事場にする人という人も多いようですが、パフォーマンスの低下や体調不良を感じたら、まず自分のワークスペースを見直してみるといいと思います。

厚生労働省からテレワークに適した環境のガイドライン「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」*1が公表されています。そこには、部屋の明るさから、温度・湿度、デスクや椅子の大きさや形状まで、推奨の作業環境が示されています。すべてを整えるのは難しいかもしれませんが、手軽にできることもあります。一部をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

厚生労働省「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」*1 を参考に作成(一部抜粋・編集)

――部屋の温度や湿度、照明の明るさの調整などは、すぐに実践できそうですね。

仕事場の温度に関して、コーネル大学の調査*2では、室温を20℃から25℃に上げたところ、はたらいている人たちのタイプミスが44%も減少し、その結果、生産性が150%向上したそうです。
暑がりの人もいれば寒がりの人もいるので、一概に25℃が生産性アップに最適な室温とはいえないと思いますが、試してみてはいかがでしょう。
自分に合う快適な室温の中でなら、暑さや寒さに気を取られることなく仕事に集中することができると思います。

植物を置いて疲労回復!部屋には緑色を取り入れて

――ほか、パフォーマンスをアップさせるワークスペースづくりに、一役勝ってくれるおすすめの方法はありますか?

 目に入る場所に観葉植物を置くのがおすすめです。

「植物を見て癒された」「ほっとした」という経験はありませんか?それは気のせいではありません。
グリーンアメニティ(植物を取り入れることで快適性を向上させること)の研究では、オフィスに植物を置くことで「温度や湿度の調節・快適性向上効果」「心理的効果」「目の疲労緩和・回復効果」「空気の浄化効果」といった4つのメリットがあると考えられています。*3

つまり、ワークスペースに植物を置くことで、心は癒され、空間はより快適になるというわけです。

――快適に過ごせれば、ストレスが軽減。集中力もアップし、生産性も高まるということですね。植物を取り入れるのに、コツや注意点はありますか?

大切なのは、目に触れやすい場所に植物を置くということです。デスクの上や周辺で、仕事の邪魔にならない場所に置くのがいいと思いますね。
また、植物を育て慣れていない人は、メンテナンスが簡単なものを選んで。植物の世話がストレスになっては、元も子もありませんから(笑)。

――「緑色は目に優しい」と聞いたことがありますが、植物以外にもインテリアに緑色をたくさん取り入れると良いなどはありますか?

緑色を豊富に取り入れた空間は、ビジネスパフォーマンスの向上が期待できると思いますよ。

壁の色(白、赤、青、緑)と脳波との関係を調査した研究*4によると、緑と青の壁は、精神を安定させ、作業能率の向上が期待できるといった結果が出たそう。さらに緑は、眼精疲労の軽減にも効果的だという報告がされています。 壁の色を替えるのは難しいと思いますが、カーテンやタペストリーといったファブリックアイテムを替えて、視界に緑や青がたくさん入るよう工夫してみるといいかもしれません。

ディスプレイまでは40㎝以上、肘の角度は90度以上。作業姿勢を正せば、疲労感が軽減!

――肩こりや腰痛といった体の不調の原因には、どんなことが考えられますか?

机や椅子の高さが体に合わず、正しい姿勢が取れていないのかもしれません。
VDT作業(ディスプレイやキーボードなどの機器を使用する作業)をする場合、どのような姿勢をとるのが望ましいのか、厚労省からガイドライン*5が出ているので、抜粋してご紹介します。

厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」*5 をもとに作成(一部抜粋・編集)

――机や椅子の高さも重要なのですね。でも、すぐに買い替えられるものではないので、工夫が重要になってきますね。

体型は人それぞれ。机や椅子の高さは目安に過ぎません。ただ、たとえば「キーボードを楽に打てるように、肘の角度が90℃以上になるように座わると足が浮いてしまう」といった場合は、足台を用意するなど、上記の図を念頭に置いて環境を整えてみてください。肩こりや腰痛が改善するかもしれません。

快適な環境づくりはパフォーマンスの向上にきっと繋がります。すべてを実践するのは難しいと思いますが、できることから取り入れてみてはいかがでしょうか。

***

次回は、「自己肯定感」をテーマにした情報をご紹介します。
更新情報は、はたわらワイド公式Twitterアカウントにてお届けします。

<参考文献>
*1 厚生労働省:「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」
   https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html
*2 Cornell Chronicle:Susan S. Lang 「Study links warm offices to fewer typing errors and higher productivity」(October 19, 2004)
   https://news.cornell.edu/stories/2004/10/warm-offices-linked-fewer-typing-errors-higher-productivity
*3 仁科 弘重:「グリーンアメニティの心理的効果に関する最近の研究」(『植物環境工学』20(4))2008,pp.236-241
*4 川上 満幸,松本 修一,大槻 繁雄:「色彩と香りがVDT作業に及ぼす影響」(『照明学会誌』84巻第2号)200 0,pp.92-99
*5 厚生労働省:「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(令和元年7月12日基発0712第3号)

※本記事で提供する情報は、診療行為、治療行為、その他一切の医療行為を目的とするものではなく、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。

(文:佐藤美喜)

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編集・ライター佐藤美喜
大手出版社勤務を経て、フリーランスの編集&ライターとなる。女性誌やPR誌、子ども向け雑誌から書籍までを手掛け、“旅” “食” “健康”をはじめとする幅広い分野に携わる。共著あり。海&ダイビングが好き!

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