ぼっちの私は苦手な営業になり、究極のクリエイティブを知った

2023年7月20日

はたわらワイド編集部が、世に発信されているさまざまな個人のはたらき方ストーリーの中から、気になる記事をピックアップ。
今回は、あえて苦手な営業にチャレンジし、営業へのイメージを覆した記事をご紹介します。

友達を作るのが苦手な「ぼっちのazumi」さん。対人コミュニケーションが苦手なのに、あえて新卒で営業を選んだそうです。当然うまくいかないことが多々ありましたが、1年、2年と続けるうちにできることが増えていき、本来やりたかった「究極のクリエイティブ」に行き着きます。そんなエピソードをnoteに投稿しました。

※本記事の引用部分は、ご本人承諾のもと、投稿記事「「営業職」にさよならとありがとうを」から抜粋したものです。

対人関係が苦手だから、あえて営業に

対人コミュニケーションが苦手で「大学で同じ学部の友達が一人もできなかった」と言うazumiさんは、意外にも新卒で営業を選びました。
その理由は、将来独立したかったから。

どうしても「人に提案する、交渉する、相談する」場面は出てくるはず。きっと、将来の仕事で役に立つベースになると思ったから、営業職を受けました。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

コミュニケーションに加えて数字も苦手で、嫌でも数字の分析・管理する営業に就くことで、両方の苦手意識を克服しようと考えたそうです。

ただでさえ営業は「きつい」といったネガティブなイメージを持たれやすく、辞める人も少なくありません。
azumiさんは逃げずに苦手を克服するために、ルールを決めました。

「コミュニケーションから逃げない」「数字から逃げない」というのは肝に銘じて生きています。1日1回は心の中で逃亡しようとしているんじゃないかなぁ笑。その度に引き留めています。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

あえて苦手分野を選んでルールを決め、耐えるマインドをつくったことで、挫折せずに続けやすくなった、と語ります。

どんな仕事にも「我慢する」「耐える」瞬間はあるもの。そんな時、苦手から逆算した仕事選びをしておくと、「耐える大義名分」ができるので、案外心折れず乗り越えていけるもんです。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

そうして営業の仕事を継続するうちに、耐えることばかりでなく、うれしい出来事も起きました。

企画・制作もできるようになり、苦手なはずの営業が楽しくなった

新卒1年目で求人広告の営業チームに配属され、求人広告の提案から原稿作成まで行うことに。
入社したばかりの新人ながら、自分が作った原稿を広告として世に出せたのです。

私は「自分が作ったものを世に出したい」と思って広告業界に入りましたので、こんなに早々に「広告」が世に出るとは…夢があっけなく叶ったことに驚きつつ、満足感と責任感を感じる日々でした。

「公開」ボタンひとつで世に発信されたはじめての自分の求人原稿は今でも覚えています。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

さらに2年目になると、幅広い提案を行うようになります。所属する会社も、他社のメディアや運用型広告も含め、商材を広げて事業を展開するようになっていました。

どんどん受注の幅を広げていく同期を見て焦りを感じていたタイミングで、azumiさんは初めて1人で他社のメディアを提案しに行くことに。
最初は新しい商材の提案が怖くてたまらなかったそうです。

初めて使う媒体資料を行きのバスで読み込み、自力で解釈して、マーカー線を引いて…泥臭くて拙い提案だったかもしれませんが、お客さんはある程度納得感をもって検討してくれました。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

それからも知識の習得と伝達を繰り返すうちに、お客さまのニーズに合わせて組み立てられるようになり、まるで上質なパズルを組んでいる気分でやりがいを感じるようになったと語ります。

そのパズルはお客さんの納得感あってのもの。「どういう理由があるからこの商材を今やった方がいいのか?」という問いは答えがないですし、企業によって大きく異なると思いますが、それを考え続け、伝え続けることが、私にとっての営業の楽しさでした。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

営業として小さな挑戦を積み重ねていったazumiさんは、苦手なはずの営業にやりがいや楽しさを見いだせるようになったのです。

3年目には、自らの希望で求人広告の営業から販売促進分野の広告営業に異動しました。
独立に向けてさまざまな仕事を経験したいと考えて、1年目からずっと口に出していたところ、ついにその希望が叶ったのです。
この経験を経て、azumiさんは「希望は口に出してみるもの」と実感したと言います。

ただ、すべてが新しい仕事に順応するのは大変だったそうで、これまでの一匹狼的な営業が通用せず、先輩に弟子入りするつもりで日々の業務に取り組みました。
営業以外のコミュニケーションや運用・制作についても学んだことで、azumiさんは営業に対して新しいイメージを持つようになります。

営業は究極のクリエイティブである

営業になってから丸5年が過ぎた時に思ったのは、
「営業が結局1番クリエイティブでは?」
ということでした。

受注する前の「どんな企画がいいか?」「どんなものを作って何を伝えたいのか?」「どんな広告配信がしたいのか?」はほとんどの場合、営業とお客さんで一緒に考えるケースが多いのです。

この「0→1にする」という仕事、たぶん究極のクリエイティブであり、大変難しい。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

営業5年目になってもお客さまへの提案がうまくいかず、先輩が提案するとうまくいくといったことは日常茶飯事だそうで、

私が「1」にしようと考えてみた結果は、うまくいかないこと、ショックを受けること、嫉妬することばかり

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

と語ります。

その一方で、入社前から抱いていた
「自分が作ったものを世に出したい」
という思いを叶えられる営業に、今では愛おしさを感じているそうです。

営業と聞いて、テレアポや飛び込み営業などハードな業務をイメージする人も多いかもしれませんが、営業の幅はとても広く、想定外のおもしろさが潜んでいます。
「自分は営業には向いていない」
と今感じていたとしても、それはほかの可能性を知らないゆえの早とちりかもしれません。

あえて苦手分野の営業にチャレンジしたazumiさんも、

コミュニケーションが苦手でも、計算が苦手でも、「会社でタダ勉強したい」みたいな目的でも笑…

その会社や業界でやってみたいのであれば、まず営業職で学んでみるのもありなんじゃないでしょうか。

「「営業職」にさよならとありがとうを」より

と言います。

営業以外の職種であっても、やり続けなければ分からない魅力ややりがいが潜んでいるものです。向いていないと感じる仕事でも、うまく先輩たちを頼りながら、そんなやりがいを探してみると、新たな道が拓けてくるかもしれません。

【ご紹介した記事】
「営業職」にさよならとありがとうを

【プロフィール】
ぼっちのazumiさん
ライターです。ひとり旅行、ひとりディズニー、ひとり散歩など、都内に生きる20代女の等身大「ぼっち」を発信します。広告業界で働いていますが、プライベートは無口です。ちょっと覗いてくれたらうれしいです。Twitter→@azumi_bocchi インスタ→@azumi_bocchi

(文:秋カヲリ)

※ この記事は「グッ!」済みです。もう一度押すと解除されます。

3

あなたにおすすめの記事

同じ特集の記事

  • シェア
  • ツイート
  • シェア
  • lineで送る
エッセイスト・心理カウンセラー秋カヲリ
1990年生まれ。ADHD、パンセクシャル、一児の母。恋愛依存や産後うつなどを経験し、現在は女性の葛藤をテーマにしたコラムを中心に執筆。求人広告→化粧品広告→社史制作→フリー。2018年にYouTuberメディア『スター研究所』を公開、2021年に『57人のおひめさま 一問一答カウンセリング 迷えるアナタのお悩み相談室』を出版。

人気記事

日本で最初のオストメイトモデル。“生きている証”をさらけ出して進む道
スタバでも採用された「最強のカゴ」。老舗工具箱屋が、アウトドア愛好家から支持を集めるまで
SNSで話題沸騰!『おたる水族館』の、人びとを笑顔にする“グッズ開発”の裏側
自分で小学校を設立!北海道で“夢物語”に挑んだ元教師に、約7,000万円の寄付が集まった理由
「歌もバレエも未経験」だった青年が、劇団四季の王子役を“演じる”俳優になるまで
  • シェア
  • ツイート
  • シェア
  • lineで送る
エッセイスト・心理カウンセラー秋カヲリ
1990年生まれ。ADHD、パンセクシャル、一児の母。恋愛依存や産後うつなどを経験し、現在は女性の葛藤をテーマにしたコラムを中心に執筆。求人広告→化粧品広告→社史制作→フリー。2018年にYouTuberメディア『スター研究所』を公開、2021年に『57人のおひめさま 一問一答カウンセリング 迷えるアナタのお悩み相談室』を出版。

人気記事

日本で最初のオストメイトモデル。“生きている証”をさらけ出して進む道
スタバでも採用された「最強のカゴ」。老舗工具箱屋が、アウトドア愛好家から支持を集めるまで
SNSで話題沸騰!『おたる水族館』の、人びとを笑顔にする“グッズ開発”の裏側
自分で小学校を設立!北海道で“夢物語”に挑んだ元教師に、約7,000万円の寄付が集まった理由
「歌もバレエも未経験」だった青年が、劇団四季の王子役を“演じる”俳優になるまで
  • バナー

  • バナー